Takahiro Izutani

GDC 2019 その3 サンフランシスコについて

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今回はGDCセッションではなく現地サンフランシスコ事情について書いてみようと思います。まずGDCの会場になっているMoscone Centerは市内中心地に位置しており、特にこの地に詳しくなくGDCのために訪れるという方なら会場を囲むように隣接しているそれなりに値が張るホテルをとるのが懸命です。というのも近年のサンフランシスコはダウンタウンの中心部で特に急激にホームレスや犯罪が増えてスラム化が進んでいるからです。自分は2年ほど前にもサンフランシスコに来ることがありその時に驚いたのですが、まず一番のこの街のシンボル的な場所になっているケーブルカーの始点があるPowell St駅周辺がすでにホームレスや物乞いで溢れており度々"Spare dollar?"などと声をかけられました。また人通りの多い大通りの路上にレゲエの人たち数人が陣取って豪快にマリファナパーティの様なことになっている光景も見ました。その時は「やっぱアメリカは自由な国だな〜」などとのんきに構えていたのですが、夜になると雰囲気は危険な方向にシフトしだして何かが間違っていることに気づきます。自分はその時は治安のことなど全く気にせずにダウンタウンの中心部で安いホテルが良いだろうと思い適当に予約をしたのですが、実は最も治安が悪いと言われるTenderloinという地区のど真ん中だったのです(笑)ある日はパンパンと夜中に車のパンクの様な音が聞こえてたので何だろうと思っていたら翌日ホテルの従業員から「昨日銃声がしてただろ。外国人は慣れてないから気をつけろよ」と言われて驚きました。言われてみると夜中でも周囲は騒がしく頻繁に怒号なども聞こえていました。

で、今回こそは前回の轍を踏まないようにとそのTenderloinを避けた上で中心部に近く、かつリーズナブルなホテルをとろうと検索してみたところMocone Centerの南西側徒歩10分程度のところに安くて良いホテルをとりました。今度は大丈夫だろうとたどり着くと特に前回と大きくは変わらず様子のおかしな人の数は多く微妙に不穏です。ホテルの近くに向かうに連れてまたもホームレスが増えてきたなと思ったら路上に落ちているゴミや謎の汚物などでカオス度としては前回以上。で部屋についてから調べてみたところこの辺りMission地区というのも最近でこそ改善されつつあるものの元々ヒスパニック系のスラムとして名高い地域だとのことでした。前回来た時はヒッピーの聖地として名高いヘイトアシュベリー (Haight-Ashbury)というエリアに行った際に「歩きタバコ」ならぬ「歩きコカイン」で鼻から上手に吸っているひとを見たのですが、今回は路上でフラフラと歩きながら自分の腕に注射しているというまさかの「歩きシャブ」です (笑) Tenderloinとの違いは、あちらは動きがアクティブでバイオレント系のノリなのに対して、こちらのMission地区はバイオハザードの様な動きの遅いゾンビ系、かつダーティでカオスな世界です(なのでかなり前方の地点からゾンビを避けて素早く移動すれば大丈夫) あとからわかったのですがMoscone Centerを境にして南西側は急激に荒れた地域になっていて、反対に東北側、つまり海寄りに向かうと急激に開けた近代的な都会になっていたんです。

今回わりと直前に渡航を決めたことでホテルも適当にとってしまったのがこの地域になってしまった原因ですが「余計な緊迫感など楽しまずに普通に街を移動したい」という方ならホテルは会場周辺か海寄りにとったほうが絶対にいいです(日本から来てこんなとこに宿をとってるのは自分だけかも知れませんが・・・)まあその半面自分がとった部屋はひとりで60平米くらいのスペースと無駄にクイーンサイズのダブルベッド二台というゆとりがありましたが(笑)スラムではいくつかの衝撃の光景を目撃しましたがここに具体的に書くのは控えておこうと思います。そう言えばサンフランシスコでは今月は4/20にヒッピーとマリファナと大きなフェスティバルがあるのでこれからまたどんどんと変わったひとが集結してくることになるんでしょう。

サンフランシスコの悪いところばかり書いてしまいましたが素晴らしいところももちろん沢山あります。特に食事に関して(自分はいわゆる高級レストランなどには行きませんでしたが)気軽に入れておすすめなのがまずは「Nopa

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ここは中心部からだとUberで10分くらいのAlamo Squareという西側の地区にあるオーガニック中心のメキシカンレストランです(カリフォルニア料理ということだそうですが自分にとってはメキシカンのニューウェーブという認識です)前回来た時にふらっと入ってみて感動したので今回もGDC最終日に来たのですが相変わらず人気な様子で開店30分の時間に行ったにもかかわらず既に超満員で自分のあとにはもう行列ができていました。自分は一人で入ったのでカウンターの席を案内してもらうことができましたが、恐らく通常は予約無しでは入れないんだと思います。

あともうひとつおすすめできるのがFort Mason公園の近くの港の倉庫街の一角を改装して作られた「Greens」というレストランです。ここはその名の通り野菜料理しか出さない店なのですが食材は全てサンフランシスコ郊外の専用農園で栽培されたオーガニックだけを使っていて、野菜だけといってもバリエーションが多彩でとにかく野菜の味がすごく濃厚なのが特徴的です。「そういえば子供の頃に食べていた野菜はこんな味だったと思い出す様な」と言えばわかりやすいでしょうか。こちらもお昼の開店前から人が集まり始めていて、開店して30分もしたら満席でした。恐らくGreensもNopaも地元の人達がほとんどだった様に思います。

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最後に移動手段についてなのですが、前回来たときにはガイド本を見ながら「とにかく書いてある通りにするか」と公共交通機関のパスを買ってバスや路面電車と徒歩だけで移動してたのですが、そのことをアメリカ生活に慣れている友達に言うと「今どきそんなことしてるやつ聞いたこと無いw」と小馬鹿にされてしまいました(笑) 今は簡単にかつ最短時間で移動するにはとにかくUberです。市内どこに行くにしても最大でも5分程度で到着する上にUber Poolという相乗りだと金額も通常の半額程度です。乗り降りの際も自分の名前だけ正確に言うことができればあとは全く英語ができなくても大丈夫です(自分以外ドライバーも含めて全員がスペイン語で会話している状況もありましたが)それともうひとつ今回はじめて使った移動手段にSkipという電動キックボードがあります。これも実に利用は簡単で事前にアプリの登録だけ済ませておけばあとは路上に放置してあるのをアプリのGPSで見つけて本体にあるQRコードをスキャンしてアンロックするだけです。市内のレンタカー移動はパーキングの煩わしさがあるので基本UberとSkipで動くのが個人的にはおすすめです。


また行く機会があったら次回はもうちょっと事前に計画してからにしようと思います。