ここのところ地味〜な自宅作業が続く合間を縫って映画ロック・オブ・エイジズを見てきました。
この作品はトム・クルーズ一主演(?)のミュージカル映画で、アラフォー世代をターゲットにした80sのロック系ヒット曲を多く使用していることで話題です。
以下ネタばれ含みます。(ネタばれしたからといって面白さが半減するものでもありませんが)
ストーリーはありきたりなボーイミーツガールもので全く新鮮味ありません。この作品が他と異なる事で評価されうる点はB級グルメ的選曲のおもしろさです。当時アメリカのチャートでは結構ヒットしてたもので、なおかつ日本ではあまり流行らなかったものが多い事で不思議なB級感が出ていた様に感じました。(Quarterflash、REO Speedwagon、Pat Benatarなど)
特にQuarterflashなどは一発屋だったにもかかわらず自分にとって洋楽聴き始めのド頭のころだったので妙に記憶に残っています。自分の思う80sっぽいサウンドの特徴というと、FMシンセのベースやピアノ音色やストラトのハーフトーンと並んでサックスソロというのがあって、それはこのQuarterflashのHarden My Heartを洋楽の最初期に聴いたからかなとも思います。他にもサックスソロがフィーチャーされた当時の名曲いうとDaryl Hall & John Oates (Maneater)、Men at Work (Who Can It Be Now)、Duran Duran (Rio)、Glenn Frey (Heat is on)など挙げたら切りがなく、Journeyですら80年代後期のアルバムではサックスソロ入りの曲が入ってました。
上記の曲は言うまでもなく素晴らしい名曲なのですが、サックスというと夜の小洒落た酒場のイメージがあり、パッと聞きだとダサいアメリカン・ポップスをオシャレにラッピングするのにちょうどよいという事からか安易な使われ方の曲も大量に存在しました。そういった軽薄なイメージがまだ残っていて自分の作る曲やトラックにサックスが入る時には結構慎重にアプローチを練るようになってしまっていますw でもそれほどイメージとして強力だったという事でもありますね。
もうひとつ気になった事として、映画で流れる楽曲はその後に台頭してきたアイドル系のダンスミュージックに対抗するロックンロールの象徴として扱われているのですが、リアルタイムで流行っていた時には「産業ロック」(綿密なマーケティングを経た後に大金をつぎ込んでサウンドプロデュースされた、映画でいうところのブロックバスター的なロック、Journey、Foreigner)と呼ばれていたものや、「LAメタル」(アメリカではヘアメタルと呼ばれてたものでビジュアル先行のメタル、Poison、Twisted Sister)など、王道的なロックのファンからすると唾棄すべき忌まわしきものとされていたものだったんですね。(自分は当時も今も大好きなのですが)
昨今では80sのロックサウンドのひとつの代表的なスタイルにもあげられるDef Leppardですら当時はオーバープロデュースされた無機的なサウンドと言われてましたし、映画の中でトム・クルーズが歌うPour Some Sugar On MeはWe Will Rock Youの真似だと揶揄される事もありました。これらが20数年の月日を経て美化されて扱われているのもとてもおもしろいです。70sのロックを中心にとりあげていたスクール・オブ・ロックとは全く対照的な価値観です。
あとどうでもいいことですが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズがダンスする姿が誰かに似てるなと鑑賞後ずっと思っていたのでが、とんねるずの貴さんでしたw 途中にMichael JacksonのBeat itの振りを混ぜ込むところの動きがそっくりでしたw
Def Leppard Review Tom Cruise
トム・クルーズは半年間ボイトレして歌ってるとか。アクセルとイギー・ポップをお手本にしたとかの話。