Takahiro Izutani

2020年11月

予算をかけずに個人でもできるオンライン音楽マーケティング

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Interview on Indie Top 39 by Emma MIller
こちらはUK発のレビューウェブサイトIndie Top 39に掲載された最新のインタビュー記事です。


久々となったDugoの新作EP Recluseのリリース後、もろもろのプロモーション活動も一段落したのでここで総括してみようと思います。

今回はレーベルからでなく完全に自主でのリリースとプロモーションになるのでまずは自分のマーケティングに関するリテラシーを高めることと、いかに予算をかけずに各所にとりあげてもらうかということにポイントをしぼって進めました。

オンラインでのパブリシティというのは紙媒体と違って一度アップされると理論上は半永久的にでもネット上に存在しえることが可能です。なので今後も活動を続けていく上で認知を広げていく際には必ず誰かに過去情報が検索されることになるので、しっかりとした中身のあるものを提示しておく必要があります。一回こっきりアップした時にだけ周知をして読まれれば良いというものではなくロングテール的な姿勢で少しづつコンテンツとして積み上げていくことで目に留まる頻度を高めていくべきです。

個人からでも請け負ってもらえるプロモーション会社は色々とありますが、今回は費用がさほどかからず手軽に使えるウェブ上のサービスを試してみましたのでいくつかご紹介します。今回掲載された記事の中から主要なものは https://dugo.tokyo/ に引用してありますのでご覧になってみて下さい。

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これは巷では最も知られたサービスだと思いますが、元々はGoogleで働いていたプログラマーが独立して立ち上げたという如何にもドラマ「シリコンバレー」に出てきそうな会社で、最初にポイントを購入したのちサイトのリスト上に掲載されているメディアの中から自分が気に入ったものにオファーを送り先方が楽曲の内容に対して気に入ってくれれば記事やインタビューとして掲載されることになります。ここの特徴としては音楽のジャンル、影響力の評価、採用率、抱えているオーディエンスの総量など様々なパラメータが比較できるように数値化されていて、それをフィルタリングして自分にとって最適と思えるメディアを選べるところです。またレビューサイトだけでなく、個人ブロガーやInstagramのインフルエンサー、Spotifyのプレイリスター、果てはSoundCloudでのリポストなど様々なツールを介してのメデイアがあり、今回自分が取り上げてもらったものの中では世界中の山岳地帯を旅している冒険家のInstagram Storiesの映像のBGMとして取り上げてもらったりというものもありました。おそらくTikTokからみでのインフルエンサーなども多いでしょうし、昨今は数年前までは思いもつかなかったような場所ですら大きな影響力を発揮しているひとがいることがわかりました。

あとSubmitHubは採用率がなかなか厳しかったのと、自分の場合は試聴してもらうのと同時に不採用の場合も必ずその理由をレビューしてもらえるコースで提出していたのですが、これは最初はメンタルがやられそうになりました。普段仕事で制作している楽曲であれば、どんな理不尽な不採用や意味不明なリテイクであっても何の動揺もなく機械的に対処できるのですが、いざ自分の音楽として作った楽曲によくわからない理由でダメ出しされることがこんなに精神的にこたえるとは思わなかったです。これはとてもいい経験になりました。

こちらもシステムとしてはSubmitHubと同じ形式ですがリリースする楽曲を提出してパブリシティとして扱ってくれるメディアを募るという一種のお見合い的なプラットフォームです。こちらの方がおそらく新しくできたサービスで、それゆえか比較的個人ブログなどを含む小規模のメディアからかなり多くのオファーをもらいました。またここはリリース期間内に全くオファーがもらえなかったとしてもここのサービスからの紹介で必ずいくつかは記事が掲載されるという最低保障の様な制度があるようです。

こちらは少し名が通ったメディアやレーベルをメインにしたサービスです。ジャンルや国別のフィルタリングがとても使いやすいのと、自分が気に入ったものをみつけたら個別にアプローチできますが、名が通ったものに関しては楽曲を聴いてもらうだけで$10〜$15ほどの費用がかかります。今回ここでは2社だけ試しにオファーしてみましたが採用はされませんでした。

今度はサブミッション系のサービスではなくロンドン発のコンサルティングを含むマーケティング会社です。ここはYouTubeに多くの音楽マーケティング戦略の動画をアップしているので、それを見るだけでも相当な知識と情報を得られますが、個別にサービスを依頼することでアーティストの現状に特化したアドバイスと戦略のドキュメントを作成してくれます。またその際に必ず30分ほどのオンラインミーティングを行います。自分の場合は活動全体の指針と各ソーシャルメディアのアカウント上のどこを直した方がいいかなど具体的な部分についてまで詳細にアドバイスをもらいました。今回はここでは£500を使いましたが、これを高いとみるか安いとみるかはちょっと判断が難しいところです。まずはYouTubeの動画を見まくった後で判断してみればよいと思います。

フォーマット化されたサービス以外ではMuck Rackというジャーナリストのデータベースサイトを活用してみました。ここではDugoに近いジャンルの音楽記事を書いているジャーナリストを調べて直接連絡をとってみたところ二人のジャーナリストに記事として取り上げてもらうことができました。また当然ながら他にもPitckforkなどの超主要メデイア計200件ほどにプレスリリースを作って送りましたが、こちらはリアクションが無かったです。レーベル経由、プロモーション会社経由でないと受け付けないというメディアもありましたし、このやり方はまだ突破口が見えませんが色々と手法を変えて継続していこうと思っています。

あとアーティスト別のオンラインの影響力やプラットフォームごとのデモグラフィックなど、あらゆる指標をみることができるサービスとして

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があります。ここはプレミアムに登録すると月額$140と少し高額ですが初回登録で無料期間がついてくるので、この間に色々と調べまくって現状世界のリアルな音楽事情がどうなっているのかを数値で把握してみるのもいいかもしれません。現実的な使い方としては自分と音楽性が似ていてロールモデルとしたいアーティストを検索してみてどのプラットフォームで大きくオーディエンスを獲得できているか把握したり、どの国や都市での影響力が大きいかを調べて自分がリソースを投下する際の参考にしたりといったところです。とにかくありとあらゆる膨大なデータが数値化されているので他にもアイデア次第では画期的なプロモーション方法を確立できるかも知れません。

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色々と試してみましたが肝心のSpotifyの再生数は数千程度でまだまだ停滞しています。これらの活動で少しづつネット上のプレゼンスを上げていくことが全てSpotifyのアルゴリズムに影響していると公式にアナウンスされているので当然おろそかにはできないのですが、どこかでSpotifyのエディトリアルプレイリストに取り上げられたり、主要なメディアにピックアップされたりなどして多くのオーディエンスに聴かれるようなターニングポイントがあって初めて次のフェーズに移れるのかも知れません。ただし上述のBurstimoの動画で何度も説明されているのですがInstagramやSpotifyのアルゴリズムは、それを正しいやり方でコンテンツをアップして刺激し続けていれば一定の数値を超えた時に必ず露出が増えるモードに変わるのでそれまでは暗闇の中をひたすらトンネルを掘り続けるように耐えていくしかありません。また自分に関してはまだリリースの総量も少なすぎるのでとにかくいい曲をどんどんリリースしていくことが必要ですね。

今回はなんか音楽とは全く関係ないことばかりを書きましたが、InstagramやTikTokを見ればどんなアーティストも今や独自に音楽とは関係ないコンテンツをバンバンアップしています。特にTikTokではJason DeruloThe Chainsmokersなどがちょっとした小芝居をするジョークの動画を頻繁にアップしていたりしていて驚きます。従来型のパッケージ販売やマスメディア中心のプロモーションが完全に過去のものになっていることを痛感します。

さてDugoに関してはとりあえずいまは次回のリリースに向けて鋭意製作中です。近いうちにまたここでリリースのお知らせをすることになると思いますので是非ともご期待下さいませ。