前回に続き今度はSonar by Nightについて。by Nightの方は夜10時からのスタートで比較的大物系のアーティストのライブから始まり、その後朝までDJがメインのクラブの時間帯になります。会場のバカでかさはby Day以上で会場内の一番大きなベニューだとステージから最後尾まで1kmほどもありました。ざっと調べたら幕張メッセの倍くらいですかね。にも関わらず自分が会場に入った11時ころでもう相当な人で埋まっていました。
ここ数年でヨーロッパのクラブによく行っていますが、どこもものすごくエントランスのセキュリティチェックが厳重で驚きます。今回も三重のチェック体制になっていて、入り口には全部で30人くらいの警備員が立っていました。中にはこのひと元傭兵やマフィアの用心棒なんじゃないかってくらいのゴツいひともいます。普通に暮らしてたらまず見かけないだろうというくらいの風貌です。それとその甲斐あってかさらに毎回驚くのがクラブの中の安全な雰囲気です。みんな酒こそガンガン飲んでいますが、泥酔して吐いている輩はいませんし暴れたり喧嘩になっているような光景も全く見たことがありません。ちょっと休憩できるようなスペースに女の子が一人で大の字になって爆睡しててちょっと危ないなあと思って見てましたが、一時間後にまたそこに戻ってきてもまだガッツリ寝てましたw
Downliners Sekt
どこかのレビューに「Basic Channelと初期Burialが邂逅を遂げたような深淵さ」と書いてあって、まさにその通りと思いましたが、要はブレイクビーツとダブとエレクトロニカのコンビネーションできかせる自分好みの超カッチョイイ音を作る人達です。まだ無名なようですがとても楽しみにしていました。スタジオ音源に比べると少しブレイクビーツの要素が強いライブでした。曲を構成する個々のサウンドが霞がかかったようにくぐもっているにも関わらず全体としてはとてもソリッドなミックスになっているのが実にうまいと思いました。こういう音作りってすごくセンスが問われるんです。
Massive Attack
自分がこの手の音楽を聴きだすきっかけ、また自分でコンピュータを使って音楽を作る事のきっかけにもなったアーティストです。それから何年も経ち、ようやくライブを見ることができたので感慨もひとしお。と、思っていたのですがライブ自体の完成度は???という感じ。YouTubeなどでライブ映像を見ていたのである程度は予測できていたのですが、色んな意味でイマイチでした。前回のブログに書いたBonoboなどはスタジオレコーディングの素材を使っていかに有機的な演奏に昇華していくかという事に注力していたのですが、こちらは素材のトラックに生演奏をあてただけという印象でした。しかもあまり演奏が上手とはいえない上に、出音のバランスも良くないという。特に低音の出し方が異常なほどで、ベースやキックの音が特定の周波数になると地面全体が振動して足元からそれが伝わってビヨヨーンと下半身全部が震えるくらいでした。この低音が結構曲を台無しにしていて、名曲Unfinished Sympathyの本来メインで聴かせるべき美しいストリングスサウンドが全部この低音でかき消されてました。
昨今では「mp3をヘッドフォンで聴く」のが主流になり制作者もそのことを配慮して不必要な低音を極力排してミックスする事が多くなっていますが、今回のSonarを見てもライブやDJのサウンドでその傾向が強かったと思います。先述のBonoboはベースをハイフレット中心のメロディ楽器として使い、後で述べるWoodkidはベースレスの編成で(チューバ奏者がいますが)両者とも過剰な低音を排しながらも迫力はキープするオリジナルなバランスのサウンドを作っていました。少し不快とも思えるくらいの低音を足元に感じながら、ついにMassive Attackも時代遅れになってしまったのかなとふと感じてしまいました。
しかしながらバックに流れる映像はとてもセンスがよく、色々なものの数値や文字、企業のロゴなどを次々に映していきながらその流れで政治的社会的なメッセージを表すようなものでした。もしかしたらライブの音作りよりももはやほとんどの興味が映像の方に向いているのかもしれないと思いました。
Woodkid
全く前情報がなく、アーティストの名前すら知らなかったのですが、偶然ライブ開始時にステージ近くに居合わせたことでフルでライブ体験ができました。映画Inceptionの音楽の様な不穏なブラスサウンドのイントロが始まると、それまで人もまばらだったステージ周辺に急激に人が押し寄せてきてライブがスタートしました。Woodkidの音楽は端的にいうと古き良き時代のヨーロッパの映画音楽(ニーノ・ロータ、ミシェル・ルグラン、ヘンリー・マンシーニとかの)の様な楽曲に強烈なオーケストラパーカッションを加えてダンスミュージック化したものといったところですw このライブがあまりにもかっこ良すぎて盛り上がりすぎて、これだけでもSonarを見に来てよかったとすら思えたほどでした。Woodkidの映像は特にメッセージ性はなくサウンドのイメージを具現化した様なものですが照明とのマッチングが素晴らしく独特な空間を演出していました。実際にどんな感じだったかは下に動画のリンクを張っておいたのでよろしければ見てみて下さい。モミクチャにされながら耐えて自分で撮った映像ですw
ライブが終わって照明が明るくなった時に隣で大騒ぎしていたゴッツイ砲丸投げの選手みたいなあんちゃんに何語か全くわからない言葉でまくし立てられて、なぜか最後はガッチリと握手して抱き合って、ライブの感動と興奮を分かち合いましたw あとで調べたところWoodkidはLana Del ReyやKaty PerryのMVも撮るフランス人映像作家 Yoann Lemoineによる初の音楽プロジェクトだそうです。片手間でこんなすごい音楽を作られたら本業のひとはたまらんです。日本の例で例えるとクドカンさんのグループ魂みたいなものでしょうか。あちらも片手間でやられたらバンドマンはやってられんってくらいのカッコ良さですが。
Woodkid Sonar Barcelona by Night 13 06 2014
Woodkid Sonar by Night Barcelona 13 06 2014 Ending
むちゃくちゃ混み合っているフロア中を練り歩きながら背中にタンク背負ってビールを売ってるバイト君が沢山いました!
Massive Attack
自分がこの手の音楽を聴きだすきっかけ、また自分でコンピュータを使って音楽を作る事のきっかけにもなったアーティストです。それから何年も経ち、ようやくライブを見ることができたので感慨もひとしお。と、思っていたのですがライブ自体の完成度は???という感じ。YouTubeなどでライブ映像を見ていたのである程度は予測できていたのですが、色んな意味でイマイチでした。前回のブログに書いたBonoboなどはスタジオレコーディングの素材を使っていかに有機的な演奏に昇華していくかという事に注力していたのですが、こちらは素材のトラックに生演奏をあてただけという印象でした。しかもあまり演奏が上手とはいえない上に、出音のバランスも良くないという。特に低音の出し方が異常なほどで、ベースやキックの音が特定の周波数になると地面全体が振動して足元からそれが伝わってビヨヨーンと下半身全部が震えるくらいでした。この低音が結構曲を台無しにしていて、名曲Unfinished Sympathyの本来メインで聴かせるべき美しいストリングスサウンドが全部この低音でかき消されてました。
昨今では「mp3をヘッドフォンで聴く」のが主流になり制作者もそのことを配慮して不必要な低音を極力排してミックスする事が多くなっていますが、今回のSonarを見てもライブやDJのサウンドでその傾向が強かったと思います。先述のBonoboはベースをハイフレット中心のメロディ楽器として使い、後で述べるWoodkidはベースレスの編成で(チューバ奏者がいますが)両者とも過剰な低音を排しながらも迫力はキープするオリジナルなバランスのサウンドを作っていました。少し不快とも思えるくらいの低音を足元に感じながら、ついにMassive Attackも時代遅れになってしまったのかなとふと感じてしまいました。
しかしながらバックに流れる映像はとてもセンスがよく、色々なものの数値や文字、企業のロゴなどを次々に映していきながらその流れで政治的社会的なメッセージを表すようなものでした。もしかしたらライブの音作りよりももはやほとんどの興味が映像の方に向いているのかもしれないと思いました。
Woodkid
全く前情報がなく、アーティストの名前すら知らなかったのですが、偶然ライブ開始時にステージ近くに居合わせたことでフルでライブ体験ができました。映画Inceptionの音楽の様な不穏なブラスサウンドのイントロが始まると、それまで人もまばらだったステージ周辺に急激に人が押し寄せてきてライブがスタートしました。Woodkidの音楽は端的にいうと古き良き時代のヨーロッパの映画音楽(ニーノ・ロータ、ミシェル・ルグラン、ヘンリー・マンシーニとかの)の様な楽曲に強烈なオーケストラパーカッションを加えてダンスミュージック化したものといったところですw このライブがあまりにもかっこ良すぎて盛り上がりすぎて、これだけでもSonarを見に来てよかったとすら思えたほどでした。Woodkidの映像は特にメッセージ性はなくサウンドのイメージを具現化した様なものですが照明とのマッチングが素晴らしく独特な空間を演出していました。実際にどんな感じだったかは下に動画のリンクを張っておいたのでよろしければ見てみて下さい。モミクチャにされながら耐えて自分で撮った映像ですw
ライブが終わって照明が明るくなった時に隣で大騒ぎしていたゴッツイ砲丸投げの選手みたいなあんちゃんに何語か全くわからない言葉でまくし立てられて、なぜか最後はガッチリと握手して抱き合って、ライブの感動と興奮を分かち合いましたw あとで調べたところWoodkidはLana Del ReyやKaty PerryのMVも撮るフランス人映像作家 Yoann Lemoineによる初の音楽プロジェクトだそうです。片手間でこんなすごい音楽を作られたら本業のひとはたまらんです。日本の例で例えるとクドカンさんのグループ魂みたいなものでしょうか。あちらも片手間でやられたらバンドマンはやってられんってくらいのカッコ良さですが。
Woodkid Sonar Barcelona by Night 13 06 2014
Woodkid Sonar by Night Barcelona 13 06 2014 Ending
むちゃくちゃ混み合っているフロア中を練り歩きながら背中にタンク背負ってビールを売ってるバイト君が沢山いました!
Four TetのDJ。Massive Attackの前座的な役割だったのでダブばっかりプレイしてました。ある意味貴重かも?