Takahiro Izutani

プラグインレビュー#1

プラグインとはなんぞや?という方も多いと思うので簡単に説明すると、自分の様なコンポーザー、アレンジャーが制作に使うホストアプリ(Digital Audio Workstationの略でDAWとも呼ばれます)の内部で動作するサードパーティ製の別ソフトの事で、このプラグインの種類の選択や音加工のセンス次第でクリエイターの個性が大きく左右されるという程のものであります。また膨大な数のディベロッパーと製品が存在する事で一種のコレクター的感覚で集めまくってしまう罠に陥りやすいものでもあります。
色々とスター級の有名なプラグインも多々あるのですが、そういったものはサウンド&レコーディングマガジンなどで優秀なレビュワーの方々が紹介されていますので、このブログではあまり日が当たらず地味ながらもこれは!と思ったものをちょこちょこと紹介していこうかと思います。まあほとんど同業者のかた向けの世間話になってしまいますが・・・

Cableguys VolumeShaper
Ableton Liveでは個別のオーディオサンプルに対して直接ヴォリューム情報を書き込めますが、こちらではオーディオインストの発音から読み込んだ波形をプラグインのブラウザに表示させて操作できます。この事によってわざわざ一度オーディオ化しなくても波形を見てボリュームを書き込めるので簡単により複雑な動きのビートが作れます。
例えば任意にプログラムしたビートに対してアタックが早くスレッショルドがきつめのコンプをかけておいて、さらにこのVolumeShaperでコンプのリリースで音が戻ってくる時のカーブを極端に書いてみたり、さらに二段がけしてミュート、フェードイン、トレモロなどのエフェクトをかけたりとアイデア次第で色々と変態的な効果が作れます。普通にコンプのサイドチェインでキックをぶつけてダッキングするよりもカーブを直接かけることでグルーブをコントロールしやすいという利点もあります。最近のダンスミュージックだと特に不自然なくらい極端なダッキングや、パッドシンセに対して書くボリュームのカーブをリズミックに動かす事でグルーブを作るようなテクニックが多いので、そういった効果を作りたい時にすごく便利に使えて楽しいです。

Dada Life Sausage Fattener
これは普通のディストーションのプラグインともアンプシミュレーターともWavesのLシリーズのリミッターとも違う感じでぶっとく歪ませられるプラグインです。主にベースやリズム系に使う事が多いですが、かなり音圧が稼げるので曲によってはマスターに挿してもいけますw
いわゆる歪み成分が加算されていく感じではなく、まさにブラウザのビミョ〜に卑猥っぽいソーセージのイラストの様にエネルギーがはちきれんばかりの感じに歪んでいくのであまり耳に痛い感じにならないところが良いです。 さらに二段挿しや三段挿しにすると変なノイズ成分が持ち上がってくるのでそれもまた音楽的においしく使えます。これでSkrillexJusticeみたいなバッキバキのブッリブリのトラックも簡単に作れますねw