Takahiro Izutani

Effector

Hughes & Kettnerのアンプ

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自宅でのギター録音用に、かつ今後ライブが増えてきそうな事もあってHughes & KettnerのアンプTubemeister36Headを買ってみました。いつもバンドのリハスタで使っている同H&K社のTriamp MK2と比べるとこちらはお手軽バージョンなのですが、ちまたの評判ではさほど音に大差ないとの事だったので今回は持ち運びしやすいこちらにしてみました。
で、結論からいうと音はTriamp MK2とは全然違いましたね。こちらのTubemeisterはLeadチャンネルで歪ませた音はMesa/Boogieを優等生的にした音といった感じです。Boogie自体がそもそも優等生的な音なのでそれ以上ってどうなんだ?という気もします。ですがCleanチャンネルはTriampに遜色ない音。いわゆる「全くクセのないクリーン」な音でギター自体の音をそのまま再現してくれるような感じです。自分はもともと歪んだ音はOKKO Dominatorで作るので、このCleanチャンネルで音作りしてからOKKOで歪ませたところバッチリ!いつものリハスタでの音が再現できました。結局アンプの歪みでなくH&KとOKKOの組み合わせでできるディストーションサウンドが自分の好みだったようです。
H&Kはこのようにクセのないサウンドがキモだと思うのですが、ふと思えば自分の使ってる制作用の機材もメインのモニタースピーカーはTannoy Precision、DAがLavry、Audio I/OがRMEといかにもフラットなサウンドのものばかりです。

キャビネットもCelestion Vintage30が組み込まれたH&Kのものを同時購入しました。このキャビネットは上から下までバランスよく鳴るものですが、今回購入前にTubemeisterのヘッドに色々なメーカーのキャビネットをつなげて試奏してみたら思っていた以上に全然違うサウンドが作れておもしろかったです。EVHのキャビにつなぐと本当にもろにミドルがブーストされたエディっぽいマーシャルの音になったり、Orangeにつなぐとローがスッキリ整理されてミドルが個性的なOrangeの音になったりと。H&Kがバランスがよく、悪く言えば無個性な音ゆえにこういう結果になってるんだとしたら今後12インチ一発入りのキャビネットを色々と増やしていくのはありかなと思いました。何せいまどきはちょっと高価なエフェクター1個分程度の値段で買えちゃうので。

あとはちょっとまた真空管にはまりそうで怖いです。今回はデフォルトの中国製からElectro Harmonixの手軽に買えるものに交換しただけですが、これはハムキャンセルできるような仕様だとの事で非常にスッキリとした音になりました。ちょっとネットで調べただけですが真空管ってもう中国とロシアとスロバキアにしか生産工場がないそうで、Electro HarmonixやGroove Tubesはそれらのラインを確保して発注かけることと、あとは選別が主な仕事なんだとか。それと何十年も前に作られたNOS(New Old Stock)がロシアの工場などにはまだ大量に眠ってるのでそこから状態のいいものを選んでるみたいです。この辺はいかにもマニアの人達が好みそうな分野ですがハマるとキリがないので見なかった事に。

こちらは次回のライブに手持ちで持っていきます。
すごい大荷物なんで雨降ったらやだな~。


Electro-Harmonix, guitar pedal engineers, vintage sound gadgets

エフェクターボード

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久々にエレキギターを持ってライブをやることになったのでエフェクターも色々とチョイスしてボードに組んでみました。かつては山の様に使っていたエフェクトペダルもコンピュータでの制作が中心になっていくにつれて全部処分してしまったので全部いちから買い直しです。

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↑ 左上から順に(クリックで大きな画像)

Redwitch Fuzz God II (Fuzz) 

Strymon El Capistan (Tape Echo Emulator) 

Voodoo Lab Pedal Power 2 Plus (Power Supply) 

Okko Dominator (Distortion)

Loop-Master Pedal Custom (Loop Switcher)

Sonic Research ST-200 (Tuner)

Strymon Lex (Rotary Speaker Emulator)

Keeler Designs Stretch (Wah Pedal)

色々と調べたり試奏してみた結果この様な組み合わせのコンパクトなセットになりました。自分がここ10年以上もPCのソフトやプラグインの方面に没頭していた間にエフェクターの流行りや性能も随分変わったと思いました。

まず思ったのはヴィンテージペダルのレプリカや復刻版の隆盛です。自分のセットの中だとKeeler Designs StretchはVOX V846ジミヘンがウッドストックで使ってるやつ)をモデルにしたレプリカです。ギターでもそうなんですがヴィンテージのものは発売当時の電気事情やPAとアンプの音量や性能にマッチングして設計されている面があるために今の時代に使うとバランスが悪い所が色々とでてきます。レプリカものはそういった弱点を克服しながらヴィンテージのサウンドを再現できるという利点から重宝されてるんだと思います。

また、高性能のCPUをこんな小さな箱に納めて尚且つ省電力でアナログ機材のシミュレートサウンドを出すStrymonの様なメーカーがでてきたのも驚異的です。デジタルエフェクターというと高品質な音色を出すためでなく多機能や利便性のためのものという常識は完全に過去のものだと感じます。特にEl Capistanについては自分が今まで使ったことのあるディレイの中では最高だったMaxon AD-900に匹敵する滑らかな音の減衰を表現できるエコーマシンです。しかもルーパーとしても使えたり外付けフットスイッチでプリセットを呼び出せたりとデジタルのいいところもしっかりおさえてます。

そしてネットでの発注が一般的になったことにより、世界中の無数のハンドメイド工房によるペダルが気軽に買えるようになりました。試奏やクーリングオフはできませんが、そういった工房のサイトにはほとんどYouTubeのリンクが貼ってあってペダルの基本性能や音色についての詳細が見られるようになっています。自分のセットでは特にLoop-Master Pedalのループスイッチャーが受注生産品で工房から直送されたものです。スイッチャーやセレクターに関してはセット全体の完成形をどういう物にするかによって規模や必要なIN/OUTの種類が変わってくるので既成品だとなかなかこれっ!というものが見つからずに困っていたところ、とあるこの手の情報に詳しい知り合いの方にこれを教えていただきました。Loop-Master Pedalは日本には代理店も全くないようですが、実際に製品を受け取って試してみても非常に満足のいくサウンドだったので自分からもオススメできます。(発注から受け取りまで2ヶ月もかかったのが少しだけ難点ですが)

と、ここでふと思ったのは選んだものに日本製のペダルがひとつもなかった事です。自分がギターを弾きだして以来エフェクターのシェアは断然国産メーカーのものが多かったのですが、もはやここもグローバル化してきてるようです。(自分のセットだとOkko=ドイツ Redwitch=ニュージーランド 残りはアメリカ)もちろん今の国産にも素晴らしい製品がたくさんあるのは調べたのでわかっており、サウンド、個性、機能性、デザイン、価格など全ての要素で考慮したところで抜きん出るものがたまたまなかったという事なんですが。

先に書いたレプリカものにおいては実はかつての国産エフェクターの名器、Boss OD-1、Ibanez Tube Screamerなどの設計を元にした高級ペダルがたくさんあり、完全に研究しつくされた結果もはやギターでいうGibsonやFenderのようなポジションになっている感すらあるんですが・・・こういうところでも時代が変わったんだなということを強く感じました。

↓ こういう人達にものすごくシンパシーを感じます。

Fuzz: The Sound That Changed The World

こちらも楽しみです。

Beautiful Noise Trailer - My Bloody Valentine influence 2012