Takahiro Izutani

Sonar 2014 by Day

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今年はバルセロナのSonar Festivalにいってきました。Sonarは毎年バルセロナで行われるエレクトロニック・ミュージックとメディアアートのお祭りです。by Dayとby Nightで二箇所の会場でおこなわれていました。by Dayといってもお昼からはじまり、終わるのは夜の10時です。スペインは夜がおとずれるのがほぼ10時ごろからととても遅いんです。

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Nils Frahm
アンビエントやエレクトロニカのテイストを取り入れた作品を多数リリースしているピアニストです。どんなライブになるのか楽しみにしてましたが、ピアノ二台とローズ、それと大きなエコーマシンなどを駆使しつつの壮絶な人力ミニマル・ミュージックの演奏でした。最後は一曲で20分以上もの長尺の曲で汗だっくだくになりながらの熱演で大歓声をあびてました。以前にBrandt Brauer Frickの一時間半ノンストップの人力テクノのライブをみましたが、クールなイメージのあるミニマル・ミュージックのアーティストが肉体を酷使してみせる演奏にはとても感動させられます。

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Trentemøller
このひとの作る硬質でダークな音が大好きなのですが、最近のライブでは歌もののロック寄りな音に傾倒しているようです。

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Matmos
アメリカ出身の実験的なエレクトロニカを作るアーティスト。BjorkのVespertineの頃のサウンドプロデューサー、ライブサポートメンバーとして有名な人たちです。この日のライブでは映像素材にかけるエフェクトに音を連動させたり、普通のメトロノームを走らせながら、その音に即興的な加工を加えたり、またその音をトリガーにして様々な電子音を発音させたりとかなり変わった趣向の演奏でした。「real experiment !」と観客に向かって強調してましたね。

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Bonobo
UK出身、アブストラクトヒップホップの名門レーベルNinja Tuneから数作リリースしてる中堅アーティスト。スタジオ音源からのイメージではもっとクールで抽象的なライブになるのかなと思っていたのですが、すごく躍動的でバラエティに富んだ熱いライブでした。BonoboことSimon Greenはシーケンスやエフェクトを操作したり、小さな鉄琴のような楽器やベースを演奏したりと大忙しです。また曲によってサポートメンバーが入れ替わり立ち代わりなので飽きません。女性ボーカルやホーンセクションが入ったかと思えばドラムとベースのみのセッション、Simon一人だけでDJっぽいライブ演奏など。どの組み合わせでもとても構成や展開が練られている上に演奏の安定感も抜群でした。特にサポートのドラマーの演奏が素晴らしく、いわゆる「打ち込み+生演奏」的なライブのイメージを完全に払拭するほどに有機的なライブでした。このアーティストはもっともっと人気がでてくるような気がします。アリーナコンサートなんかでも映えそうな風格でした。

by DayではアーティストのライブやDJの他にも最新音響テクノロジーやコンピュータソフト、メディアアートの展示会や、McIntoshのオーディオ機器だけで組んだクラブサウンドシステムの小屋も併設してたりと、(これは残念ながら行きそびれました)バカみたいに広い会場のどこにいっても飽きることがありません。

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二回とも見られなかったPlastikman。