Takahiro Izutani

2012年12月

イアホンを買いましたよ。

ER-4.jpg
今の仕事をするようになってから外出時に携帯音楽プレーヤーで音楽を聴く習慣が全くなくなっていたのですが、先日携帯をiPhoneにした上に Etymotic ResearchのER-4Sというイヤホンを購入してから何かと音楽を聴きまくる様になっています。
自分は今まで仕事の際でもヘッドフォンをほとんど使わずに作業しています。ヘッドフォンだと低音の質感がつかめなかったり奥行きも見えづらかったり、あと物理的な装着具合によって定位のバランスまで掴みづらかったりするのが理由です。
ですが、このER-4Sはそれらのマイナス要因を全てクリアしており音源の音質的な質感や音量レベルの差異まで如実に再現してくれるので今後は仕事でも活躍してくれそうです。低音の質感に関してはまだモニタースピーカー無しでは完璧な判断はしづらいですがその他の要素で特に定位に関しては何年も普通に聴いてきた曲の定位ずれをいくつか発見してしまったほどの正確さです。
それと今となっては全部mp3になってしまってますが、最初にリリースされたのがアナログレコードか、CDに完全に以降してからか、Protools以降のものか。大きくわけてこの3つで音量レベルと質感に相当違いがある事にもあらためて気づきました。Protools以降のものについては制作時にタイミング補正がなされてる事の影響も大きいと思います。

そんなわけで「どうせiPhoneで音楽なんか聴かないし」と32GB仕様のものを選んだ事を後悔しているわけですが、32GBパンパンにつめた音源ファイルをシャッフル再生しているうちに次第によく聞くお気に入りアーティストが決まってきました。
まず XTC、若い頃にウォークマンで聴いていた時は中期の Black SeaBig Expressをよく聴いていたのですが、ちょうどむかし自分がウォークマンを使わなくなってからリリースされた Non SuchApple Venusの1と2などの、シンプルなアイデアと構成の中に多彩な色を散りばめたような複雑な展開を作るアレンジ力とアイデアの凄さに唸っています。
それと Brandt Brauer FrickBopのMVカッコよさにやられて今年の来日時に代官山Unitのライブまでいったくらいですが、アルバムの他の曲にはいまいちピンときてませんでした。もともとミニマルな楽曲群なのでさっとチェックするくらいでは意味がないのですが、聴きこむ程に各サンプルやフレーズの磨きこみが際立っているのがわかります。それと楽曲構成とミックスの相関関係が実に複雑で細かく作ってあるのもわかります。
最後に Craig Streetのプロデュースした諸々の作品です。このところフルアコースティックの曲をミックスする機会が続いた事もあってリファレンスでよく聴いていたのですが、ルームリヴァーブをうまく使った楽器同志の距離感と音を必要最小限に削ぎ落した超クールなアレンジがたまらんです。おすすめは Madeleine Peyrouxの最新作、 Gipsy KingsのRootsLizz Wrightのファーストとセカンド(ミックスが Tony Maseratiでマスタリングは Greg Calbi)などです。

世間的には今さらという感じではありますが、iPhoneで生活習慣が変わる感覚を実感しております。おせ~w